Research調査情報

2022年6月2日

上五明条里水田址 2022年度発掘調査(1)

【令和4年度の調査が始まりました】

 4月15日から開始した発掘調査は、6月~8月の休止期間をはさみ、11月末まで行う予定です。昨年度は竪穴建物跡18軒を主体とした、平安時代後期の集落跡及び千曲川の氾濫により埋没した水田跡がみつかりました。今年度も集落や水田に関係する遺構の発見が予想されます。

 

 

 

 

【平安時代の竪穴建物跡を発見】

 今年度調査で、竪穴建物跡が1軒みつかりました。形は隅丸方形で、大きさ6m×5m、深さ30㎝程度です。床からは坏や埦などの食器が出土しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 調査を再開する9月以降どんな発見があるのか楽しみです。

 

上五明発掘たより№2(PDFデータ:685KB)

上五明発掘たより№3(PDFデータ:735KB)

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2021年12月16日

上五明条里水田址 2021年度発掘調査(1)

【上五明条里水田址の調査履歴】

 この遺跡からは、過去の調査で、千曲川の洪水砂層に覆われた水田跡や、9~11世紀の集落跡が発見されました。集落からは、鉄鐸(てったく)や鈴、八稜鏡(はちりょうきょう)、猿面硯(えんめんけん)等の珍しい遺物がみつかっています。

 

【平安時代の集落跡】

 今回の調査では、現在までに竪穴建物跡17軒を主体とした平安時代の集落跡を確認しています。竪穴建物跡からは、内面に花びらのような暗文が描かれた土器が出土しました。

  

 

 

上五明条里水田址 発掘たより№1

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2016年7月26日

山鳥場遺跡 平成28年度調査情報(1)

7/1日に発掘調査を開始しました。調査研究員2名、作業員10名で9月末まで調査予定です。遺跡内では縄文時代中期(約5000年前)の住居跡や土器片が発見されています。


【調査開始】

作業員さんも発掘調査は初めてです。 土器を発見するたびに驚きの声が上がりました。


【地表下30㎝で約5000年前の遺物を含む土層を確認】

重機で地表の耕作土をはがすと、暗い色の地層がみつかりました。この地層からは縄文土器が出土しました。


【縄文時代の住居跡を多数発見

調査区内の表土を重機ではぎとった後に手作業で地面を削ったところ、縄文時代の竪穴(たてあな)住居の跡がいくつもみつかりました。


【遺跡から出土した縄文時代中期の
遺物】

竪穴住居跡の発見された場所から約5000年前の土器片が多く出土しています。右端の光る破片は黒曜石です。いよいよ、これから住居跡の発掘に入ります。どんな遺物が出土するのか楽しみです。



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2016年6月8日

二ツ石前遺跡 平成28年度調査情報(2)

約2ヶ月間にわたる発掘作業が、6月7日に終了しました。残念ながら、縄文時代の生活の跡や土器などは出土していません。遺跡は現在の河原と似たような地形にあり、唯一発見された石器は、川の流れによって他の場所から運ばれてきたと考えられます。今後は、二ツ石前遺跡の立地と地形の関係をモデルにしながら、高山村内の扇状地上に存在する遺跡がどのような広がりをみせているのかを整理していきます。


【巨大な石が出現したトレンチ】

調査区の一番東側のトレンチからは、巨大な石がたくさん出土しました。作業員さんと比べると、その大きさが一目でわかります。一番大きなものは、直径約80㎝でした。遺跡の北側を流れる松川の河原石とよく似ていることから、遺跡の所在する地形は川の作用によって形成されたと考えられます。


 

【トレンチ調査】

調査地のなかでも、耕作土の堆積(たいせき)が一番薄かった地点です。そのすぐ下は、大きな石がたくさん埋まっていました。




【土層断面図作成の様子】

重機で掘削したのち、精査したトレンチの土層断面を観察し、正確に記録に残します。


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2016年4月26日

二ツ石前遺跡 平成28年度調査情報(1)

今回の発掘調査は、平成26年度の黒部遺跡につづき、県営中山間総合整備事業の村道拡幅工事に伴うものです。4月13日に調査を開始しました。
遺跡は、標高578~598mの樋沢川左岸扇状地の扇央部南側に立地します。過去において、遺跡からは、石鏃、黒曜石片、石棒が出土し、縄文時代の遺跡とされました。遺物の散布は希薄でしたが、集落跡の可能性も探っていく必要があり、期待されます。


【遺跡は扇状地ならではの傾斜地】

 東側から西側に傾斜する扇状地に、二ツ石前遺跡はあります。遺跡の西側は東側より約20m低くなっています。西側の遥か遠くに見えるのは、北アルプスの山並みです。



【トレンチ調査始まる】

現在の農道の両側で、掘削可能なスペースにトレンチを入れて調査を進めています。多くのトレンチは、耕作土が30~50cmあり、その下が礫混じりの黄褐色の地山層となります。


【検出作業のようす】

 重機で掘削したトレンチ内の平面・断面を、作業員さんが精査して遺構・遺物を探します。また、断面を観察すると、土層の堆積のようすを知ることができます。

【縄文時代の石器出土!】

ほかの川原石とは違う緻密な石材を使って作られた石器です。左右の側縁に細かな加工痕が見られ、木や骨を削ったり皮を切ったりする道具として使われたものと思われます。


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2012年9月21日

寺久保遺跡 平成24年度調査情報(1)

 

 寺久保遺跡は、佐久市南部の旧臼田町域に位置しています。7月からトレンチを掘削して調査を進めています。現在までに竪穴住居跡とみられる方形の落込みが1基みつかり、形を明らかにしていく過程で平安時代の土器片が出土しました。寺久保遺跡では、過去に縄文土器や古墳時代の須恵器が採集されていますが、平安時代の遺構や遺物は確認されていませんでした。新たな発見として注目されます。

 

【調査風景】

 重機でトレンチを掘削し、さらに人力でけずって遺構の有無を確認しています。


 

【竪穴住居跡発見か?】

 線を引いて囲んだ黒っぽい部分が竪穴住居跡とみられる落込みです。これから全容を明らかにしていきます。


寺久保遺跡,未分類

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