一の釜遺跡

ふりがな
いちのかまいせき 
住所
諏訪郡下諏訪町社  マップ
立地
砥川右岸の山裾で南向きの傾斜地 
事業名
一般国道20号(下諏訪岡谷バイパス)改築工事 
調査期間
令和元年8月~令和元年11月 
時代
縄文 
遺跡の種類
集落跡 
備考
 

2019年9月24日

一の釜遺跡 2019年度発掘調査情報(1)

【発掘調査が始まりました!】

昭和63年と平成11年に下諏訪町教育委員会が実施した発掘調査では、縄文時代前期末葉から中期初頭(約5,500年前)を中心とする集落跡が見つかりました。黒曜石の原産地を間近に控え、大量の黒曜石が出土することが特徴です。今回の調査対象地からは外れますが、付近に一の釜古墳があり、古墳時代の遺物も出土しています。

 


【諏訪湖の対岸(南)から調査地を望む】

一の釜遺跡は、霧ケ峰高原を背にした湖北山地の南斜面、鋳物師(いもじ)沢川と福沢川に挟まれた細長い尾根上に位置します。眼下には下諏訪の市街地と諏訪湖が広がり、天気が良いと遠く富士山を望むことができます。


 

【表土掘削】

重機を使い、表土や畑などの耕作土を除去し、遺構や遺物が見つかる黄褐色のローム層の上面まで掘り下げています。
調査員は、遺構や遺物がないかどうか、重機のバケットの先を集中して見つめています。重機の運転手さんは、調査員の指示によって土をわずかずつ平らに掘り下げます。
調査員と運転手さんとのコミュニケーションが欠かせない、緊張感のある作業です。

 

【遺構検出】

重機で表土を除去した地面は、移植ゴテや両刃鎌を使って人力で平らにしていきます。すると、黄褐色の地面に薄茶色をした土の質の異なる部分が見つかりました(写真の矢印部分)。直径50cmから1mほどの円形で、黒曜石や縄文土器の破片が出土しています。ひととおり遺構の検出作業が進んだところで、土の質の異なる部分を掘り下げていきます。

穴の形や土の埋まり方、出土する遺物などから、遺構の時期や用途を探っていくわけです。
現在のところ、竪穴建物の痕跡らしき部分も見つかっています。上屋を支えた柱跡や火を焚いた炉跡が見つかれば、竪穴建物跡と断定できるのですが、果たしてどうなりますか? お楽しみに!
 

カテゴリ:一の釜遺跡

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