座光寺石原遺跡

ふりがな
ざこうじいしはらいせき 
住所
飯田市座光寺2300-24  マップ
立地
土曽川左岸 
事業名
社会資本整備総合交付金(広域連携)事業 
調査期間
令和2年9月-11月、令和3年4月-11月 
時代
縄文・弥生・古墳 
遺跡の種類
散布地・古墳 
備考
 

2021年1月5日

座光寺石原遺跡 2020年度発掘調査情報(2)

8月後半に開始した座光寺石原遺跡の今年度分の発掘作業が、12月16日に全て終了しました。調査は猛暑と格闘したり、雨後の出水に悩まされましたが、いろいろな成果を挙げることができました。



【古墳の痕跡を探して】

今回調査した場所は、かつて古墳があったと伝わる場所です。今回の調査では古墳の痕跡を見つけることはできませんでしたが、古墳に副葬されることが多い金属製品や玉類が出土しました。今回調査した場所の近くにかつて古墳が存在し、壊されてしまったが、遺物が調査した場所に残っていたのではと考えています。



【出土した金属製品】

表土を除去し、その下の黒褐色土を掘り進めたところ、古墳時代の金属製品が出土しました。写真は長さ約3.5㎝、幅約2㎝の辻金具(つじかなぐ)という、馬具(ばぐ)の一部です。上部が欠損しているので、元の大きさや形はわかりませんが、裏側(写真は表側)には、固定するための鋲が3か所に付きます。金属製品は、このほかにも鉄鏃(てつぞく)や刀子(とうす)、耳環(じかん)などが出土しました。



【出土した玉類】

 滑石(かっせき)製の勾玉で長さ約3.5㎝、厚さ約0.5㎝です。勾玉は、これよりもやや小さいものがもう1点あります。そのほか、直径4.4~12㎜の丸玉、直径3.8㎜の臼玉、直径1.6~2.7㎜のガラス製小玉も出土しました。



【古墳時代の竪穴状遺構を発見】

 古墳そのものは発見されませんでしたが、古墳時代の竪穴状遺構1軒が検出されました。竪穴状遺構は現状で長さ4.8m以上、幅約2.6mで、形が極端な長方形となり、底に段をつくるなど、一般的な住居跡とはやや違う特徴をみることができます。現時点で、竪穴状遺構の性格はわかりませんが、来年度以降に調査を予定している場所へと続いているので、今後明らかにしたいと思います。



座光寺石原発掘だより第2号2021年1月発行(PDF 361KB)

カテゴリ:座光寺石原遺跡

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