西一里塚遺跡(佐久市)
人形土器とは、上半部は頭部や腕などの人の姿を形作っているのに対して、下半部は足を表現せずに平らな底部となる容器です。弥生時代前・中期に多くみられ、内部から小児骨が出土した事例もあります。そのため骨を器などに入れて再び葬る「再葬」という葬制に関連した、骨を納めた蔵骨器であると考えられています。
西一里塚遺跡の人形土器は、右腕と左側の胴底部は欠けています。現存する高さは約28㎝です。正面の胴上部には台形の窓が開き、容器として機能はしていたと考えられます。 外面には赤彩を施しているのが確認できます。
資料掲載報告書:『濁り遺跡・久保田遺跡・西一里塚遺跡群』 長野県埋蔵文化財センター発掘調査報告書106
長野県立歴史館所蔵