2020年4月17日

氏神遺跡 2020年度調査情報(1)

【調査開始しました!】

朝日村向陽台(こうようだい)団地の第3期造成工事に伴って、西洗馬の上組にある氏神遺跡の発掘調査を行うことになりました。7月末までの短い期間ですが、よろしくお願いします。


【氏神(うじがみ)遺跡って、なに?】

氏神遺跡は、戦後まもなく塩尻市の平出(ひらいで)遺跡で総合調査がおこなわれた頃、國學院(こくがくいん)大学の大場磐雄(おおばいわお)博士の指導のもと、地域の有志の皆さんが発見した歴史ある遺跡です。
『朝日村誌』によると、今から約12,000年前につくられた黒曜石(こくようせき)製の有舌尖頭器(ゆうぜつせんとうき)をはじめ、縄文中期の土偶(どぐう)など、さまざまな時代の人びとの営みを証明する遺物が、採集されているようです。

 

【縄文時代や平安時代の土器発見!!】

氏神遺跡で正式な発掘調査がおこなわれるのは、今回がはじめてです。
4月6日(月)から、バックホーをつかって表土の掘削をはじめました。調査範囲の東寄りにある住まいの跡らしき部分から、土器のカケラが出土しています。これから、どんな宝物が出てくるやら、楽しみですね。

 

うじがみ遺跡ニュースvol.1(PDF1.01MB)2020年4月発行

 

 

カテゴリ:氏神遺跡

2018年5月16日

山鳥場遺跡 平成30年度整理情報(1)

昨年度、発掘作業が終了した朝日村山鳥場遺跡の本格的な整理作業を実施しています。作業内容は土器の接合・復元や、遺構図のデジタルトレースなどです。


【土器の接合作業】

遺跡でみつかった縄文土器の破片を、パズルのようにつなぎ合わせていきます。


【つながった土器】

山鳥場遺跡の住居跡からみつかった縄文土器です。土器の上から下まで、ほぼ完全に残っていました。


【土器の復元作業】

接合作業でつながった土器を、元の形に戻す作業を行っています。牛乳パックで作った支えなども利用して、土器の丸みを復元します。


【遺構図のデジタルトレース】

山鳥場遺跡でみつかった土器が敷かれた炉跡の図を、パソコンを使ってトレースしています。石や土器の位置を1点1点確認しながら、図を完成させていきます。

カテゴリ:山鳥場遺跡・三ケ組遺跡

2017年11月16日

山鳥場遺跡 平成29年度調査情報(4)

4月に開始した山鳥場遺跡の発掘作業は、10月末で終了しました。2年間の調査で、縄文時代中期後半から後期の竪穴建物(たてあなたてもの)跡16軒と柱跡などの穴が約120基みつかりました。朝日村をはじめ多くの皆様にご協力をいただき、誠にありがとうございました。



【縄文時代中期後半(約4,500年前)の集落跡】

遺跡は内山沢扇状地上にあります。写真で白く見える部分は内山沢から流れてきた砂礫です。洪水などで堆積した土の上に、ムラが営まれていました。(赤○印の部分は竪穴建物跡です。)



【建物の出入り口に埋められた土器】

出入り口部分に土器が埋められている竪穴建物跡が2軒ありました。こうした土器は、乳幼児などを埋めた祭祀施設であるという説があります。


【土器が敷かれた炉を発見】

3軒の竪穴建物跡で、炉の底に土器片が割り敷かれており、土器を外すと地面が焼けていました。
【土器が敷かれた炉を発見

3軒の竪穴建物跡で、炉の底に土器片が割り敷かれていました。土器を外すと地面が焼けている例もありました。


【炉にたまった土を洗う】

炉にたまった土を洗ったところ、炭化物や焼けた骨が混ざっていました。炭化物の中にはクルミの殻と思われる破片がみつかりました。

【炉からみつかった炭化物(クルミの殻と思われる破片)】

みつかった炭化物は今後分析に出し、当時の植物利用を検討していきたいと思います。

カテゴリ:山鳥場遺跡・三ケ組遺跡

2017年10月5日

山鳥場遺跡 平成29年度調査情報 (3)

発掘で出土した縄文時代中期後半(約4500年前)の土器を観察したところ、表面や裏面、割れ口に凹みが残るものがありました。凹みにシリコンを注入し、固まったシリコンを取り出して走査型電子顕微鏡で観察した結果、その凹みがダイズ、アズキ、エゴマの種の跡であることがわかりました。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ダイズの跡(長さ8.84mm、幅5.08mm)と電子顕微鏡の写真(右)】

野生種よりも大きく、栽培された可能性があります。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【アズキの跡(長さ6.72mm、幅3.60mm)と電子顕微鏡の写真(右)】

野生種と栽培種の中間の大きさで、栽培された可能性があります


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【エゴマの跡(直径2~3mm)が多く見つかった土器(左)と電子顕微鏡の写真(右)】

写真の土器をⅩ線撮影したところ土器の中にエゴマの可能性がある881点の凹みがあることがわかりました。この土器はエゴマを多く混じった粘土で作られたと言えます。

カテゴリ:山鳥場遺跡・三ケ組遺跡

2017年7月5日

出川南遺跡 平成29年度整理情報 (2)

整理作業も3ヵ月が経ち、遺物の様子がしだいに明らかになってきました。

出土した土器は、「台付甕(だいつきがめ)」という古墳時代前期を代表する器形が多いようです。現在は、土器片の接合・復元、住居跡など遺構の図面のトレース、表の作成といった作業を主に進めています。


【「台付甕」とは】

甕の底に台を付けた(煮炊き用の)土器のことです。東海地方西部に起源をもち、北部九州から関東地方まで広い範囲で出土しています。左の写真は、台を下から見た状態です。


【土器の復元】

土器片をセメダインなどで接合し、破片が足りないところには石膏を入れて補強します。薄くてもろい土器なので、慎重に作業を進めています。


【図面のトレース】

発掘現場で作成した図面を、パソコンに取りこんでトレースします。左が現場で作成した手描きの原図、右がトレースした図です。一日中パソコン画面に向かうので、根気が必要な作業です。

カテゴリ:出川南遺跡

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