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長野県の遺跡発掘2012 見どころ紹介(3)
3月17日(土)から長野県立歴史館にて長野県埋蔵文化財センター速報展「長野県の遺跡発掘2012」が開催しています。ここでは展示の見どころをシリーズで紹介します。なお速報展「長野県の遺跡発掘2012」の詳細につきましては、長野県の遺跡発掘2012をご覧ください。
馬が殉葬された古墳
鬼釜古墳(飯田市上久堅)
鬼釜古墳は、天竜川の東側、丘陵と谷が複雑に入り組む山間地である上久堅地区にあり、古墳の北側を流れている玉川により形成された自然堤防の上に立地します。 この鬼釜古墳は明治25年頃に発掘され、その際出土した直刀や馬具、須恵器の堤瓶(ていへい)が飯田市立上久堅小学校に保管されています。明治年間の発掘以降、現在まで鬼釜古墳の正確な場所はわかっていませんでしたが、今回の発掘調査でその鬼釜古墳の位置がわかりました。実に約120年ぶりに姿を現した古墳です。
【東側から調査地を臨む。写真中央右側に玉川が流れている】
鬼釜古墳は直径約20mの円墳で、石室と墳丘はありませんでしたが、横穴式石室と思われます。時期は6世紀です。
【鬼釜古墳の全景】
石室の推定地には、明治年間の発掘穴と思われる穴と石室の石を抜き取る際に掘ったと思われる穴がありました。穴の上に盛られた土などから、鬼釜古墳に副葬されていたと推定される装飾品(管玉7点、勾玉1点、臼玉1点、ガラス小玉44点)が出土しました。
【鬼釜古墳出土の装飾品。ガラス小玉、勾玉、臼玉、管玉】
周溝に埋まる土からは、古墳時代の土器が多く出土しました。周溝の底付近からは6世紀の壺がほぼ完形の状態で出土しました。
【周溝出土の壺の精査風景】
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