今回の発掘調査は、平成26年度の黒部遺跡につづき、県営中山間総合整備事業の村道拡幅工事に伴うものです。4月13日に調査を開始しました。
遺跡は、標高578~598mの樋沢川左岸扇状地の扇央部南側に立地します。過去において、遺跡からは、石鏃、黒曜石片、石棒が出土し、縄文時代の遺跡とされました。遺物の散布は希薄でしたが、集落跡の可能性も探っていく必要があり、期待されます。
東側から西側に傾斜する扇状地に、二ツ石前遺跡はあります。遺跡の西側は東側より約20m低くなっています。西側の遥か遠くに見えるのは、北アルプスの山並みです。
現在の農道の両側で、掘削可能なスペースにトレンチを入れて調査を進めています。多くのトレンチは、耕作土が30~50cmあり、その下が礫混じりの黄褐色の地山層となります。
重機で掘削したトレンチ内の平面・断面を、作業員さんが精査して遺構・遺物を探します。また、断面を観察すると、土層の堆積のようすを知ることができます。
ほかの川原石とは違う緻密な石材を使って作られた石器です。左右の側縁に細かな加工痕が見られ、木や骨を削ったり皮を切ったりする道具として使われたものと思われます。