須恵器窯跡から出土した須恵器の接合作業中に、表面や割れ口にブクブクと泡立って膨らんだかたまりをみつけました。大きいもので5mmほどのかたまりをルーペでよく観察したところ、熱を受けて発泡した黒曜石だとわかりました。黒曜石の発泡が原因で、焼成中に割れてしまった須恵器もあるようです。
遺跡やその周辺の地層には、もともと八ヶ岳の噴火で飛んできた黒曜石が含まれています。それらが、偶然混じり込んだと考えられます。この黒曜石の混じる粘土の特徴から、奥日影窯跡で焼かれた須恵器の供給先がわかるかもしれません。
須恵器の蓋(ふた)です。スポンジ状に大きく膨らんでいます。たくさんの気泡が見えます。
須恵器の盤(ばん)です。溶けて飴(あめ)状になっているものもあります。
大きさには大小あります。大きなものはまれで、1cm程度からそれ以下の大きさのものが多そうです。