Research調査情報

2013年5月14日

東山遺跡 平成25年度調査情報

―「コの字」状の溝跡―

本年度は未調査であった市道下の調査をおこない、調査は4月末に終了しました。今回の調査では、これまでにみつかっていた中世以降の溝跡(残存長150m)の延長部分を確認できました。溝跡は後世に削平され、市道下で途切れていましたが、本来はさらに長く続いていたと考えられます。この溝は土地を区画する目的で掘られた可能性がありますが、区画の内側と思われる部分に建物跡などはみつかっていません。溝跡と同じく削平されたのではないかと考えられます。今後、周辺の状況や歴史的環境を踏まえて、溝の性格を明らかにしていきたいと考えています。

これで、平成20年度から段階的に進めてきた中部横断自動車道関連の調査が完了しました。

 

【溝の掘り下げ】

写真中央の黒い部分が溝跡です。黒い土を掘り下げて、溝の形をはっきりさせています。残念ながら、今回の調査では遺物は出土しませんでした。


【市道下でみつかった溝】

検出面では幅1m、深さ10cm程度ですが、本来はさらに幅が広く、深い溝であったと思われます。

東山遺跡

2009年6月24日

東山遺跡(1)~遺跡紹介

調査前の風景、遠くに浅間山が望めます。その後、この畑の下から、溝跡と遺物包含層が見つかりました。佐久市熊久保地区に位置する遺跡で、現在、中世と思われる溝跡の調査と、縄文時代・弥生時代の土器や石器が混じった地層の掘り下げを行っています。そこから、旧石器時代終末期の石槍が、完全な形で出土したことは注目されます。



調査風景。ジョレンがけをしながら、地面を調べているところです。調査風景。ジョレンがけをしながら、地面を調べているところです。

さまざまな遺物を含む地層の掘り下げを開始しました。さまざまな遺物を含む地層の掘り下げを開始しました。

遺物の出土状況。土山の上に、出土した土器や石器が置いてあります。遺物の出土状況。土山の上に、出土した土器や石器が置いてあります。

旧石器時代終末期の石槍です。旧石器時代終末期の石槍(いしやり)です。

遺物を取り上げて、さらに下の地層を調べています。遺物を取り上げて、さらに下の地層を調べています。

東山遺跡

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