約2ヶ月間にわたる発掘作業が、6月7日に終了しました。残念ながら、縄文時代の生活の跡や土器などは出土していません。遺跡は現在の河原と似たような地形にあり、唯一発見された石器は、川の流れによって他の場所から運ばれてきたと考えられます。今後は、二ツ石前遺跡の立地と地形の関係をモデルにしながら、高山村内の扇状地上に存在する遺跡がどのような広がりをみせているのかを整理していきます。
調査区の一番東側のトレンチからは、巨大な石がたくさん出土しました。作業員さんと比べると、その大きさが一目でわかります。一番大きなものは、直径約80㎝でした。遺跡の北側を流れる松川の河原石とよく似ていることから、遺跡の所在する地形は川の作用によって形成されたと考えられます。
調査地のなかでも、耕作土の堆積(たいせき)が一番薄かった地点です。そのすぐ下は、大きな石がたくさん埋まっていました。
重機で掘削したのち、精査したトレンチの土層断面を観察し、正確に記録に残します。