Research調査情報

2021年5月26日

石川条里遺跡 2021年度発掘調査情報(4)

さらに下の層の遺構を見つける調査を継続しています。


発掘調査が始まり一月半が経過しました。

江戸時代の遺構面の調査が終了したため、さらに下の層で遺構を見つける調査を継続しています。



【江戸時代の遺構面の下を調査する】

重機を使い、江戸時代の遺構面からさらに下へ掘り下げます。深く掘り下げたところ(写真手前)、新たに溝の跡を確認しました。



【江戸時代よりも古い溝の跡を発掘する】

先月調査を行った江戸時代の遺構面では3条の溝跡を発見しました。今回掘り下げた結果、下層にさらに古い溝跡が2条あることがわかりました。いつの時代の溝跡なのかを詳しく調べます。



【発見した溝跡の一つは幅が広い溝】

溝跡は断面が逆台形です。写真の左手では溝の壁が発見できたものの、右手では調査区内で壁が確認できませんでした。そのため、調査区の外へ続く幅の広い溝であることがわかります。以前、上層で発見した江戸時代の溝跡の中でもっとも幅が広い「塩崎用水」跡が約2.4mでしたので、それを上回る規模の溝跡となりそうです。



【溝跡の底から出土した「内耳鍋」】

これまでに発見した5条の溝跡の中で、最も深い場所にある溝跡の底からは、今から400年ほど前の戦国時代に使われた「内耳鍋(ないじなべ)」の破片が出土しました(赤ピン右の黒い破片)。溝跡が作られ、使われ始めた時期を知る手がかりになります。

カテゴリ:北信,石川条里遺跡,調査情報

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