調査範囲全体の約半分の発掘が終了しました。調査区内には上下2枚の遺構面が確認され、上の面では中近世の掘立柱建物跡や溝跡が発見されました。下の面では、弥生時代後期から古墳時代前期までの土器片がまとまって見つかりましたが、竪穴住居跡のような遺構は確認されませんでした。当時の地形が西に向かって低くなり、低地に近い部分であったため、竪穴住居などは建てられなかったのかも知れません。
東西4間、南北3間の掘立柱建物跡が1棟検出されました。遺物の出土がないため、詳しい時期は分かりませんが、柱配列や埋土の特徴から中世以降の建物と推測されます。
調査区を縦断する大小の溝跡が複数みつかりました。溝跡はどれも東西方向に延びています。埋土や遺物から多くは中世、一部は近代のものと思われます。
【土器集中】
中近世の面より約50cm下の面では、古墳時代前期とみられる土器の集中がいくつか確認されました。廃棄されたものか、または意図的に残されたものか今後の検討が必要です。