発掘で出土した縄文時代中期後半(約4500年前)の土器を観察したところ、表面や裏面、割れ口に凹みが残るものがありました。凹みにシリコンを注入し、固まったシリコンを取り出して走査型電子顕微鏡で観察した結果、その凹みがダイズ、アズキ、エゴマの種の跡であることがわかりました。
【ダイズの跡(長さ8.84mm、幅5.08mm)と電子顕微鏡の写真(右)】
野生種よりも大きく、栽培された可能性があります。
【アズキの跡(長さ6.72mm、幅3.60mm)と電子顕微鏡の写真(右)】
【エゴマの跡(直径2~3mm)が多く見つかった土器(左)と電子顕微鏡の写真(右)】
写真の土器をⅩ線撮影したところ土器の中にエゴマの可能性がある881点の凹みがあることがわかりました。この土器はエゴマを多く混じった粘土で作られたと言えます。