11月になり、調査も終盤を迎えています。調査では竪穴住居跡が1軒みつかりました。出土した遺物から、平安時代後期のものと考えられます。調査地は山間地にあり、大規模な集落の展開は見込めないでしょう。数軒程度からなる小さな集落であったと思われますが、なぜ平坦地ではなく人里離れた山中に住んでいたのでしょうか。今後明らかにしていきたいと思います。
【竪穴住居跡の調査】
住居跡の床の上や壁際にはたくさんの土器が残されていました。完形に近いものも数点出土しました。
【土器の出土状況】
住居跡の東側にカマドがあり、その周囲から坏や甕などの土器片が出土しました。
【平安時代の坏(つき)】
完全な形の内黒土器です。水もれを防ぐためにていねいに磨き、内面を黒色処理したものです。カマド近くの壁際から出土しました。