―矢出川遺跡群の調査が始まりました―
10月1日より南牧村野辺山高原にある矢出川遺跡群(矢出川第Ⅷ遺跡)の農道拡幅に伴う発掘調査が始まりました。矢出川遺跡群は野辺山高原一帯に広がる旧石器時代の遺跡で、八ヶ岳の黒曜石などを利用した石器製作跡が大量に発見されています。今回の調査でも、ナイフ形石器を中心とした旧石器時代の遺物がみつかると期待されます。
矢出川第Ⅷ遺跡は標高1,300m程、野辺山高原南東部の山沿いの傾斜地にあります。過去の発掘調査や試掘調査でナイフ形石器、石槍などが発見されています。遺跡の南西に八ヶ岳を望み、近くには国立の宇宙電波観測所があります。
矢出川第Ⅷ遺跡から約3kmほど離れた所には矢出川第Ⅰ遺跡があります。芹沢長介・由井茂也氏らによって日本で初めて細石刃石器群が発見された場所で、学史上重要な遺跡として広く知られています。現在は国指定史跡として保存されています。
表土剥ぎのようす。
奥では重機で舗装と路盤を剥がしています。
手前では重機で取りきれなかった路盤砕石を人力で剥がしながら、表面を精査しています。
1年前の南牧村教育委員会の試掘調査時に発見された黒曜石。
よく調べてみると、石核という種類の石器でした。
旧石器時代の石器の多くは石塊から打ち剥がされた石のかけらを素材として作られています。