―矢出川遺跡群の調査が進んでいます―
10月より調査が開始された矢出川遺跡群の最新の情報をお届けします。
【石核出土状況】
旧石器時代の石器の多くは石塊から打ち剥がされた石のかけらを素材として作られます。
打ち剥がされたかけらを「剥片(はくへん)」、残った石塊を「石核(せっかく)」と呼びます。
今回、黒曜石の石核(せっかく)がローム層中から出土しました。白っぽい色調の特徴から、八ヶ岳北部産の黒曜石と考えられます。
【石核のインプリント】
石核を地面からはずしてインプリント(遺跡に残された石器の圧痕)の記録をとりました。インプリントは長年石器が埋まっていた証拠となります。
【旧石器時代のブロック】
石器の集中出土地点(ブロック)を1ヶ所発見しました。このブロックからは10/25までに66点の黒曜石製の石器がみつかっています。石核のほか、ナイフ形石器(ないふがたせっき)や石刃(せきじん)があります。石器の特徴から3~2万年前のナイフ形石器文化の時期の石器群の可能性が考えられます