―千曲川左岸の自然堤防上の大集落―
塩崎遺跡群は長野市篠ノ井塩崎地籍にあり、国道18号坂城更埴バイパスの建設に伴って今年度から発掘調査が始まりました。調査は3カ年計画で、今年度の調査予定は6,000㎡です。
塩崎遺跡群は南北約2㎞、東西300~800mの範囲に広がる遺跡で、縄文時代晩期から中世にかけての遺構や遺物がみつかっています。長野市教育委員会による今までの調査では弥生時代中期から平安時代にかけての多数の住居跡の他、弥生時代中期の木棺墓なども発見されています。今回の調査でこうした時代の集落の様子がさらに明らかになるものと期待されます。
写真中央の道路を挟んだ両側が今年度の調査予定地です。調査前は果樹園などになっていました。奥の山際にJR篠ノ井線と長野自動車道がはしっています。
重機による表土剥ぎの後、ジョレンや両刃で遺構を検出しています。住居跡などが重なり合い、大規模な集落となることが予想されます。
調査区をほぼ南北に掘られた奈良・平安時代の溝跡です。溝は直線的で幅1m前後、深さ30㎝程です。区画の溝かもしれません。
弥生時代の勾玉と管玉が出土しました。両方とも奈良・平安時代の溝跡から出土しました。勾玉は長さ2.5㎝程の半玦状*(はんけつじょう)でヒスイ製とみられ、管玉は長さ0.8㎝、直径0.3㎝程の細く小さいもので、緑色凝灰岩製と考えられます。
*半玦状:玦(環の一部が切れている形をした中国の玉器)を半分にしたような形。