11月は、9月・10月に引き続き旧付属幼稚園園舎跡地の調査をおこない、4月から開始した長野県短期大学構内の発掘調査は、11月末をもって全て終了しました。今回の調査で、竪穴住居跡17軒、掘立柱建物跡1棟、墓跡3基、溝跡10条、土坑300基などや、同時期の土器や石器などの遺物(コンテナ約50箱)がみつかり、弥生時代後期や平安時代の集落跡であることがわかりました。
【弥生時代後期の竪穴住居跡】
住居の大きさは一辺約7m×5mで四隅の丸い長方形をしています。床面までの深さは調査面から約60cmほどあり、床面からは4本の主柱穴、棟持柱の穴、出入口施設に伴う穴、炉跡などが良好な状態で検出されました。
【床面でみつかった片口土器】
弥生時代後期の住居跡の床面でみつかった、ほぼ完全な形の片口土器です。現在のお椀に近いような形に注ぎ口をそなえています。
【平安時代の大きな溝跡】
5月に調査をおこなった北側から続いていて、ゆるやかに東西に蛇行しています。土器の破片や歯骨片、木製品が出土しました。
【調査区全景】
北西上空からみた調査区全景です。今後は、当センターで調査した遺構や出土した遺物の整理作業をおこないます。