国道18号坂城更埴バイパス改築工事に伴う発掘調査を現在、石川条里遺跡で行っています。県道長野上田線西側に隣接する7a区の調査で特筆される成果を紹介します。
昨年度、県道長野上田線東側の調査で弥生時代の水田跡を確認しましたが、今回、県道西側の調査区(7a区)でも発見しました。
水田一筆の形は一定していません。方形や短冊形があり、場所によって違いがあります。
【泥炭層に被覆された弥生水田跡】
弥生水田跡は地表下約2.5mで確認され、黒色の泥炭層で被覆されていました。水田が使われなくなった後は湿地化したものと推測しています。
泥炭層は、水田面直上では約5cmの厚さで堆積していますが、畦の直上は極めて薄いか、もしくはない状況でした。泥炭層を薄く削り、畔を検出しました。
【水田跡の精査】
水田跡の全景写真を撮影するために、畔に白色ロープを張っている状況です。水田一筆の大きさがわかるものは3m~5m四方で、場所によって大きさに違いがあります。
【遺物出土地点の精査】
畦の検出時には、水田層から弥生土器片が出土しました(白色荷札が遺物出土地点)。水田跡から遺物が出土することは少ないので、水田の時期を決める重要な遺物です。
【水田跡の記録風景】
検出した畔と水田面の地形は、電子平板を使って記録します。