国道18号坂城更埴バイパス改築工事に伴う石川条里遺跡の発掘調査では、県道長野上田線西側(ホクエツ信越長野工場の西側)で、平安時代の水田跡を発見しました。今回は平安時代の畔の内部から出土した木材(芯材)について紹介します。
【芯材の出土状況】
東西方向にのびる畔を解体したところ、内部から多量の木材が出土しました。木材のなかには、田下駄と思われる遺物や、建築部材の一部と思われる遺物がありました。畔の構築に際し、廃材となっていたこれら木材を芯材として利用したものと思われます。
【芯材とともに出土した土器】
芯材を精査していたところ、畔のなかからほぼ完形の須恵器の坏が出土しました。
【田下駄の写真】
田下駄は、水田での農作業の際に着用したはき物で、足が沈み込むのを防ぐため歯はついていません。
写真は、長野市長谷鶴前(はせつるさき)遺跡群の平安水田から出土したものです。長さ約40cm、幅約20cmで、
鼻緒を通した穴が空いています。