一の釜遺跡には地元の方をはじめ、これまでに30人ほどの方が見学に訪れました。下諏訪町教育委員会による調査や隣接する武居林遺跡の調査に携わった方から、過去の調査成果などの貴重なお話を伺うことができました。
【竪穴(たてあな)建物跡1】
東西の幅が4mほどの方形の落ち込みが見つかりました。南北に傾斜した斜面に立地するため、南壁は削平を受け、掃除道具の「ちりとり」のような形をしています。北壁側には柱穴が2つ見つかりました。
【石皿】
竪穴建物跡の床面近くで見つかりました。欠けているので全体の大きさはわかりません。木の実をすり潰したりする台として使われたと考えています。
【竪穴建物跡2】
5mほど西側にもう1基方形の落ち込みが見つかりました。掘り込みは約10cmと浅いのですが、たくさんの黒曜石の剝片や砕片が竪穴建物跡を埋める土の中から見つかりました。平らな底面の一部に焼土が分布することから、これも竪穴建物跡と考えられます。
【遺構検出】
地面を移植ゴテや両刃鎌を使って平らにしています。周囲の土と色や質が異なる部分が見つかりました。穴かどうか確認するため、試し掘りをします。
【遺構精査】
どうやら人が掘った穴のようです。次に半分だけ穴の底まで掘り下げ、土の埋まり方や遺物の入り方、種類などを観察し記録します。
【縄文土器】
穴の中からは、縄文時代前期末(今から約5,000年前)頃の土器や黒曜石の破片が不規則に見つかりました。
【穴の中から見つかった礫】
この穴の底からは大きな礫がたくさん見つかりました。この穴が使われなくなった後で、礫を捨てたのかもしれません。
*今後はこれまでより南側の斜面下方にある平坦面の調査を始めます。
お気軽にお立ち寄りください。