発掘調査3年目
座光寺石原遺跡は、土曽川中流域の谷部に東西700mにわたって展開する遺跡です。
令和2(2020)年に発掘調査を開始し、3年目となる今年は時期不明の土坑数基と、縄文時代から近世の土器・石器が少量見つかりました。
座光寺石原遺跡遠景(令和3年撮影)
ナギジリ2号古墳の石室内の土から、玉を発見
令和3年度調査で発見したナギジリ2号古墳から、首飾りなどの装身具であったと考えられるガラス小玉が32個、土製丸玉が119個見つかりました。
ガラス小玉 土製丸玉
2022年9月12日
座光寺石原遺跡は、土曽川中流域の谷部に東西700mにわたって展開する遺跡です。
令和2(2020)年に発掘調査を開始し、3年目となる今年は時期不明の土坑数基と、縄文時代から近世の土器・石器が少量見つかりました。
令和3年度調査で発見したナギジリ2号古墳から、首飾りなどの装身具であったと考えられるガラス小玉が32個、土製丸玉が119個見つかりました。
カテゴリ:座光寺石原遺跡
2021年11月29日
【ナギジリ2号古墳の調査成果】
直径14mの円墳で、幅3mの周溝が巡ります。石室は床に石が敷き詰められた横穴式石室で、長さ7.2m、最大幅2.2m、入口幅1.4m、最大側壁高約2mを測ります。
座光寺公民館・歴史に学び地域をたずねる会・2000年浪漫の郷委員会主催の遺跡見学会を、11月15日に開催しました。参加者は、熱心に古墳や出土遺物の説明に耳を傾けており、遺跡に対する関心の高さを感じることができました。
【出土した副葬品】
ナギジリ2号古墳では、須恵器(写真左)や鉄鏃(てつぞく)、鉄刀、耳環(じかん)とよばれる耳飾り(写真右)等の副葬品が出土しています。
カテゴリ:座光寺石原遺跡
2021年8月31日
【古墳の調査進む】
ナギジリ2号古墳は、天井石を残した状態で上空から3D測量のための写真撮影を行いました(写真左下)。この写真を使って平面図を作成します。続いて天井石を取り除いて、石室の上面を露出させました。取り除いた天井石には花崗岩が使われており、大きなものは横幅210センチ余り、重さは約3.2トンあります(写真右下)。今後は、墳丘の裾まで掘削して古墳全体の形状を明らかにする一方で、石室内部を慎重に掘り下げていく予定です。
【9区の調査終了】
6月に高坏が出土したSK04は、南北の最大長264㎝、最大幅125㎝、深さ26㎝の土坑墓と考えられます。北を頭に埋葬したとすると、足元に古墳時代後期の土師器の坏が5つ置かれ、胸のあたりから鉄鏃が9本出土しています(写真下)。
カテゴリ:座光寺石原遺跡
2021年7月2日
【ナギジリ2古墳発見!!】
発掘調査で地表直下から巨石が見つかりました。その周りを慎重に掘り進めると、巨石を支える石列が約1.7m間隔に東西2列見つかり、巨石が古墳の天井石であることがわかりました。
今回発見した古墳の天井石は、出土地点から『下伊那史』に記述のあるナギジリ2号古墳のものであるとわかりました。
【土曽川流域古墳群の性格等を解明すべく、がんばります】
ナギジリ2号古墳は、墳丘裾部の確認と並行して、天井石を記録し、その後天井石を撤去し、石室の掘下げに入ります。さらに、土曽川流域にはナギジリ2号古墳の他、1997年に飯田市教育委員会が調査した6世紀後半築造のナギジリ1号古墳があります。また、今年度の調査範囲にはナギジリ3号古墳や石原古墳の存在も想定され、これらの古墳群の性格等を解明すべく、調査を進めていきます。
2021年6月25日
【11区の調査】
今年度は、11区から調査をはじめました。東西に6本のトレンチを設定して調査を進めましたが、遺構を確認することはできませんでした。
【出土した灰釉陶器の皿】
遺構はありませんでしたが、灰釉陶器の皿のほか、土師器片などの遺物が見つかっています。
【9区の調査】
11区に続き、9区の調査を行いました。東西に2本、南北に1本のトレンチを設定して調査をした結果、土坑が2基見つかりました。左写真の黒い部分が土坑の範囲です。南北約260㎝、東西約100㎝の楕円形になります。
【土坑から古墳時代の高坏が出土】
発見した土坑は深さ15㎝以上あり、中からは古墳時代の高坏が出土しました。