前の久保遺跡は7月27日をもって今年度の調査を終了しました。今回の調査では弥生時代後期の竪穴住居跡1軒、土坑16基、焼土跡1基、縄文時代の土器集中1ヶ所が見つかりました。また遺構は検出されませんでしたが、中世と考えられる国産陶磁器の破片が耕作土中から少量見つかりました。
【竪穴住居跡の調査】
弥生時代後期の竪穴住居跡を調査しているところです。上部は削られているので、検出面から床までの深さは約10cmと浅くなっています。床面上の一部には炭化物が広がっていたため土を採り洗ってどんなものが含まれているか調べることにしました。
【弥生時代後期竪穴住居跡の遺物出土状況】
南西隅には甕などの土器がまとまって見つかりました。下半部を床下に埋めた完全な形の土器を期待していましたが、下半部は失われており、写真に写っている土器の上部しか残っていませんでした。
【竪穴住居跡の記録】
住居跡の遺物の出土状況など詳細な記録を作成している様子です。
【竪穴住居跡】
全て掘り上げたところです。大きさは 南北に6m、東西に6mで、北側(写真上側)に炉があります。柱穴は南側に2基(写真手前)確認したのみです。
【空中写真撮影】
6月30日にはラジコンヘリコプターを使って上空から遺跡の写真撮影を行いました。天候に恵まれ遺跡全体がよくわかる写真を撮ることができました。
【調査区全景】
後世の造成のため削平されたり埋められたりしているところが多く、遺構を検出できる黄褐色土の残っている部分は非常に狭い範囲でした。竪穴住居跡が見つかった地区は傾斜の緩い地形で、その北側(斜面下方)は調査区外になりますが同様な地形が続いているので、弥生時代の遺構は北側へ広がる可能性もあるでしょう。
平成20年度の確認調査で、弥生時代の住居跡と思われる遺構と縄文土器の集中が見つかっています。本年度は、確認調査の結果を受けて表土を除去し遺構の検出を始めたところです。調査地点は、水田造成のため削平や盛り土で本来の地形が変わっていますが、現在のところ、弥生時代の竪穴住居跡1軒を確認しています。
手前には大沢の集落、遠くには野沢の市街地や浅間山を臨みながら発掘調査を進めています。
【遺構を探す】
表土を除去した地面をきれいにして遺構を見つけます。黄色の土の中にやや黒いところがあります。それが遺構(昔の人が掘った穴)です。
浅間山は雲に隠れて残念ながら見えません。
【遺構実測にデジタル技術導入】
本年度から新しく測量支援システムを導入しました。デジタル式の測量機械をつかって、遺構の実測図面をパソコン上に記録していきます。