書名:立科町 新城峰遺跡
副書名:防災・安全交付金(道路)事業に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書
シリーズ番号:109
刊行:2016年(平成28年)3月
国道254号立科町宇山バイパスに伴う新城峰遺跡の発掘調査報告書を3月に刊行しました。遺跡は周囲を谷に囲まれた尾根に立地し、尾根頂部から東側緩斜面で中世(16世紀後半)の集落跡が発見されました。検出された遺構は竪穴状建物跡3軒と掘立柱建物跡1棟などです。出土遺物は少なく、煮炊き用の内耳鍋がほとんどで少量の土師質皿があります。陶磁器類は大窯の稜皿が1点出土したのみです。16世紀後半、佐久地方は武田氏の侵攻、武田氏滅亡後には織田氏が進出、さらに織田氏滅亡後は北条氏・徳川氏が進出するなど不安定な情勢にありました。新城峰遺跡に一時的に居を構えた人びとは、こうした戦火を逃れてきたのかもしれません。