南大原遺跡

ふりがな
みなみおおはらいせき 
住所
中野市上今井字南大原  マップ
立地
千曲川右岸 
事業名
県道三水中野線建設関連 
調査期間
平成23年4月20日~平成25年11月13日 
時代
縄文・弥生・古代 
遺跡の種類
集落跡 
備考
 

2015年5月1日

南大原遺跡 平成27年度整理情報(1)

平成27年度の整理作業を開始しました。

昨年度から本格整理を始め、本年度は報告書刊行を予定しています。発掘調査では弥生時代中期後半と弥生時代後期(約2,000年前~約1,800年前)の集落跡やお墓がみつかっています。昨年度の整理作業で弥生時代の鉄器に関わる以下2つの新たな発見がありました。

①弥生時代中期の鉄の加工を行う鍛冶関連と推定される遺物などが確認されました。長野県内では、弥生時代の鍛冶関連遺物・遺構はこの発見以前は確認されていなかったため、重要な発見になります。

②弥生時代の鉄器としては、発掘調査では鉄斧1点と鉄鏃1点が確認されていましたが、新たに鉄鏃の破片と考えられるものが2点みつかりました。

 

【弥生時代の鉄器1】

発掘調査でみつかった鉄斧と鉄鏃の写真とそれぞれのX線写真です。鉄斧(上)は弥生時代中期後半、鉄鏃(下)は弥生時代後期にあたり、特に鉄斧は長野県で最古級の鉄器の一つです。

 

【弥生時代の鉄器2】

新たに確認された鉄鏃の破片です。

 

【鍛冶遺構の可能性がある焼土】

竪穴住居跡床面で確認された焼土。竪穴住居内には炉跡以外に複数の焼土が確認されました。

 

【台石、敲石、砥石と粘土塊】

台石、敲石、砥石が多数出土しており、鍛冶関連の工具類と推定しています。用途不明の粘土塊も複数出土しており、鍛冶関連の遺物の可能性があります。



 

【五斗長垣内遺跡】

弥生時代後期の鍛冶関連施設と関連遺物が多数発見され、国の史跡に指定された兵庫県淡路市の五斗長垣内(ごっさかいと)遺跡があります。南大原遺跡と類似した敲石や台石が出土しており、今後比較研究をすすめていく必要があります。

 

【H27年度の整理作業開始】

土器を並べて、土器の胎土(土器を作った土)や文様、籾などの種子圧痕を観察、分類して、写真で記録する作業をしています。土器の表面にいろいろな植物の痕跡が見つかってきました。次回は、その報告をします。

カテゴリ:南大原遺跡

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