9月から12月中旬の予定で、桐原地区で発掘作業を開始しました。今年度の調査地は、調査対象範囲の最南端にあたります。平成26・27年度に調査した北側の地区では、古墳時代前期の竪穴(たてあな)建物跡などがみつかっています。今回の調査では集落が南のどこまで広がっているのか確認したいと思います。
【溝跡の調査】
まず西側地区から調査を開始しました。
幅約30cmの溝跡がみつかりました。地形の傾斜に沿って、北西から南東方向へ延びています。溝跡の断面を写真撮影しているようすです。
【足跡発見】
明褐色をした、直径10cmほどの丸い落ち込みがいくつもみつかり、足跡と考えられます。周辺からは、土器などの遺物がほとんどみつかっていないため、溝跡や足跡がついた時期ははっきりしません。全体に広がるのではなく、集中したり帯状に分布するようすが観察できます。
【ウシの足跡】
丁寧に表面を検出すると、写真のような形がみえてきました。2つに割れた蹄(ひづめ)の特徴から、これはウシの足跡と考えられます。10月以降、隣接する東側の調査を行う予定なので、足跡の広がりや水田、あるいは畑などの遺構の発見、時代が特定できる土器などの遺物がみつかることを期待しています。