平成28年6月29日・30日、立正大学教授 時枝 務氏(ときえだ つとむ 専門:宗教考古学)を招へいして龍源寺跡の検出遺構と出土遺物について指導していただきました。
龍源寺跡からは、3間×3間の礎石(そせき)建物跡が発見されていますが、時枝氏によると、建物の性格は「仏堂(ぶつどう)」と解釈できることと、15世紀の仏堂の調査例はほとんどなく、貴重な調査例になるとの指摘を受けました。
調査で記録した図面をもとに、礎石建物跡の礎石の組み合わせや、遺跡が立地する谷状地形内の空間構成について指導を受けている状況です。
礎石建物跡の検出時には、扁平な小礫が45個出土しました。遺跡が立地する谷状地形には含まれていない石材であることから、礫に炭でお経を書いた礫石経(れきせききょう)の代用品の可能性が高い指摘を受けました。