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浅川扇状地遺跡群(三輪地区)

ふりがな
あさかわせんじょうちいせきぐん 
住所
長野市三輪  マップ
立地
浅川の扇状地 
事業名
新県立大学施設整備事業 
調査期間
平成27年・28年 
時代
弥生・古墳・平安 
遺跡の種類
集落跡 
備考
 

2017年4月25日

ー浅川扇状地遺跡群「本村南沖遺跡」報告書刊行しましたー

書名:浅川扇状地遺跡群 本村南沖遺跡
副書名:新県立大学施設整備事業に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書
シリーズ番号:113
刊行:2017年3月

本村南沖(ほんむらみなみおき)遺跡は、飯縄山(いいづなやま)南東麓を源流とする浅川が形成した浅川扇状地扇央部分の西端で、南東方向に傾斜する地形の標高387~390mに立地します。主に、弥生時代後期と平安時代9世紀後半の集落跡がみつかりました。特に、弥生時代後期初頭吉田式期の複数の住居を構えた集落跡の発見例は少なく、本遺跡は集落域の分布の広がりを考えるうえで貴重な事例になります。

【遺跡全景(南から)】

縄文時代は土器片のみの出土で遺構はみつかっていません。ほかに弥生時代前期併行の墓跡、古墳時代中期の流路跡、奈良~平安時代の流路跡や弥生~平安時代の土坑(どこう)などを確認しました。

【弥生時代の土器】

吉田式期の竪穴(たてあな)建物跡7軒、掘立柱建物跡1棟、土坑を確認しました。遺物の様相から短期間に存在した集落で、吉田式土器の基準となる遺跡である長野吉田高校グランド遺跡の集落跡とほぼ同時期と考えられます。

【弥生時代の墓跡(SM02)出土遺物】

弥生時代後期前半 箱清水式期の成立段階に相当する土器棺(どきかん)墓が2基みつかりました。そのうちSM02は3個体の壺(つぼ)と1個体の甕(かめ)を組み合わせたもので、中心となる壺1個体は胴部に焼成後の穿孔がありました。この時期の住居跡が隣接する本村東沖遺跡内でみつかっており、居住域と墓域の関係がうかがわれます。

【平安時代の竪穴建物跡(SB13)出土土器】

平安時代は9世紀後半の竪穴建物跡が10軒のほか、掘立柱建物跡1棟、土坑を確認しました。竪穴建物跡は重複があるものの、出土土器に差がないため、ほぼ同一時期の集落であると考えられます。

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2017年1月30日

浅川扇状地遺跡群(三輪地区)整理情報(3)

 

今年度は本格整理作業を行ってきましたが、3月の報告書刊行に向けて大詰めを迎えています。報告書は県立長野図書館や長野県立歴史館を始め、県内の市町村教育委員会等に配布し、どなたにも見ていただけるようにします。


【遺物写真撮影】

遺物写真は土器の模様や形の特徴が正確に写るよう、ライティングを調節しながらプロのカメラマンに撮影してもらいました。

【報告書の編集・版組】

これまでに作成してきた遺構実測図、遺物実測図、遺構・遺物写真、原稿を合わせ報告書の体裁を整えて、本として印刷できるようにパソコンを使って版組をしていきます。

編集・版組したページの状態です。

【校正】

誤字・脱字はもちろん、間違いがないように細かくチェックし、校正していきます。

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2016年7月13日

浅川扇状地遺跡群(三輪地区) 平成28年度整理情報(2)

土器実測図のトレス作業や遺物写真撮影のために土器に着色する作業を順調に進めています。

【土器実測図のトレス】

土器の実測図を報告書に掲載できるように製図ペンを使ってトレスしています。この後スキャナーで読み込み、パソコンで版組をしていきます。

【土器の着色】

石膏(せっこう)で補強復元した白色部分に、写真を撮影する時にハレーションをおこさないよう着色をしています。

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2016年5月10日

浅川扇状地遺跡群(三輪地区) 平成28年度整理情報(1)

浅川扇状地遺跡群三輪では、今年度末の報告書刊行に向けて4月から本格整理作業を開始しました。現在、発掘調査で見つかった遺構や遺物を図化する作業を行っています。

【遺構図のデジタルトレス】
発掘で記録した遺構の平面図や断面図などを報告書に掲載できるように、パソコンを使ってトレスをしています。

【土器の実測】
古代の竪穴建物跡から見つかった土器を実測しているところです。立体的な土器を方眼紙上に実物大で投影していきます。形だけでなく模様など細かい部分も記録します。

【土器の模様】
弥生時代の竪穴建物跡から見つかった土器の口唇部(口元)に模様が見つかりました。縄ではなく、何かを押し当ててつけられた模様だと思われますが、どのような工具を使ったのかわかりません。ほかにも同様の模様がついた土器があるかどうか、注意深く観察していきたいと思います。

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2016年1月8日

浅川扇状地遺跡群(三輪地区) 平成27年度調査情報(8)

11月は、9月・10月に引き続き旧付属幼稚園園舎跡地の調査をおこない、4月から開始した長野県短期大学構内の発掘調査は、11月末をもって全て終了しました。今回の調査で、竪穴住居跡17軒、掘立柱建物跡1棟、墓跡3基、溝跡10条、土坑300基などや、同時期の土器や石器などの遺物(コンテナ約50箱)がみつかり、弥生時代後期や平安時代の集落跡であることがわかりました。

 

【弥生時代後期の竪穴住居跡】

住居の大きさは一辺約7m×5mで四隅の丸い長方形をしています。床面までの深さは調査面から約60cmほどあり、床面からは4本の主柱穴、棟持柱の穴、出入口施設に伴う穴、炉跡などが良好な状態で検出されました。

 

【床面でみつかった片口土器】

弥生時代後期の住居跡の床面でみつかった、ほぼ完全な形の片口土器です。現在のお椀に近いような形に注ぎ口をそなえています。

 

【平安時代の大きな溝跡】

5月に調査をおこなった北側から続いていて、ゆるやかに東西に蛇行しています。土器の破片や歯骨片、木製品が出土しました。

 

【調査区全景】

北西上空からみた調査区全景です。今後は、当センターで調査した遺構や出土した遺物の整理作業をおこないます。

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