Research調査情報

2024年6月28日

南栗遺跡 2024発掘調査情報(1)

<令和6年度の発掘作業が始まりました>

 令和4年度に始まった発掘調査も今年度で3年目になります。

 今年度の調査では、これまでにみつかっている古代集落の広がりと、継続時期を把握すること、昨年度あらたにみつかった中世面の広がりが確認されることを期待しています。

南栗遺跡発掘たより 第7号(PDFデータ:670KB)

<昨年度の調査成果>

 昨年度の調査では古代の竪穴建物跡16軒、掘立柱建物跡1軒などがみつかり、令和4年度に集落の南限と想定した範囲よりもさらに南へ集落が広がることがわかりました。

 調査区の南西でみつかった竪穴建物跡(SB39)からは、炭化した木材や焼けた土が一面に広がって出土しました。また、建物の壁も焼けて赤くなっていることから、この建物は焼失した住居と考えられます。

 また、調査区南端では火葬施設が3基みつかりました。いずれも内部から焼けた土や炭化した木材、焼けた人骨のほか、銭貨が10枚出土しました。そのうちの1枚は「洪武通宝」(初鋳1368年)と判別することができました。このことから、これらの火葬施設は室町時代以降のものと推定しています。

 

中信,南栗遺跡,調査情報

2023年2月7日

南栗遺跡 2022年度発掘調査情報(2)

【南栗遺跡の発掘調査が無事終了しました】

 5月23日(月)に開始した南栗遺跡の発掘調査は、12月23日(金)に無事終了しました。近隣住民の皆様をはじめ、調査にご理解とご協力いただいた方々に感謝申し上げます。

 詳しい情報はこちら(南栗遺跡 発掘たより第2号 PDFデータ)

          (南栗遺跡 発掘たより第3号 PDFデータ)

          (南栗遺跡 発掘たより第4号 PDFデータ)

2022年度南栗遺跡調査範囲 空中写真

 

【今年度の調査成果】

 調査区の南端付近で鎖川の氾濫によるものと推定する流路跡を確認し、これが奈良・平安時代の集落の南限を示すと考えています。また、34軒の竪穴建物跡が見つかり、集落がさらに西側に広がる可能性が高いことがわかりました。

 左下の写真は6本柱となる、一辺7mの奈良時代の竪穴建物跡です。

 その他に、深さ約2mの溝跡が見つかっていて(右下の写真)、屋敷地などを区画する溝であったと推測しています。

    

      奈良時代の竪穴建物跡         深さ約2mの溝跡

中信,南栗遺跡

2022年6月6日

南栗遺跡 2022年度発掘調査(1)

【南栗遺跡の発掘調査がはじまります】

 中部縦貫自動車道松本波田道路の建設に先立ち、南栗遺跡の発掘調査がはじまりました。期間は5月9日から11月末まで、7か月間を予定しています。皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。

 

【長野自動車道建設時の発掘調査】

 南栗遺跡は長野自動車道を建設する際に、発掘調査を実施しています(1985~86(昭和60~61)年度)。この時の調査で、7世紀後半から12世紀までの竪穴建物跡322軒、掘立柱建物跡104棟のほか、お墓や水路などを調査し、古代から中世にわたる大規模な集落であったことが明らかになりました。

 

 今年度の調査では、集落の広がりや、そこに暮らす人々の生活を支えた水田や畑地、遺跡近傍に立地する安塚古墳群との関係などを解明したいと考えています。

 

南栗遺跡発掘たより_創刊号(PDFデータ:1270KB)

南栗遺跡

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