Research調査情報

2009年10月29日

満り久保遺跡(1)~遺跡紹介

遺跡は八ヶ岳東麓、麦草峠の黒曜石が点在する大石川と千曲川が合流する北西側の段丘上にあります。今回の調査は中部横断自動車道の建設に伴うもので、これまでの調査で、旧石器時代の黒曜石製の石器や剥片(はくへん)など約1,500点が出土しています。また、縄文時代の土器片・石器、古代の土器片も少量ですが出土しています。
 
北側の谷状の地区からは、溝跡や土坑が検出されました。縄文時代の石斧(せきふ)・石鏃(せきぞく)などの遺物も少しですがみつかっています。

南側の尾根上の地区からは、黒曜石で作られた尖頭器(せんとうき)・細石器(さいせっき)・細石核(さいせきかく)などの石器や剥片(はくへん)がみつかっています。ほとんどが耕作土からの出土ですが、約1,500点もみつかりました。

出土した細石核。細石核は、小さな長方形でカミソリのような鋭い石器をつくりだすもととなった石です。

石器の分布や密度の傾向を把握して、石器製作を行っていた場所などを推測する資料とするために、石器の出土位置を1点ずつ記録します。

カテゴリ:東信,満り久保遺跡,調査情報

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