寺久保遺跡の西側に隣接する庚申古墳は9月から調査を開始し、11月半ばで終了しました。調査では、まず表土上に堆積した落葉などを取除き、その後、盛土に対して十文字のサブトレンチを掘りました。埋葬施設や周溝などの掘り込みがあるかどうか、また、盛土をたたきしめたあと(版築(はんちく))があるかどうかを検討しましたが、古墳に関連する施設や遺物を確認することはできませんでした。出土した遺物は中近世、近現代のものが数点でした。 以上の点から、古墳ではなく何らかの信仰にかかわる塚の可能性が出てきました。
庚申古墳の調査前風景です。尾根の稜線上に直径約3mほどの盛土が確認できます。
古墳の施設や版築などの土木工程を確認するため、十文字のサブトレンチを掘っているところです。
表土層を取除くと、盛土上にこぶし大の礫が置かれた状態で見つかりました。礫の産地などは不明ですが、調査後の礫の分析でこの塚の特色が見えてくるかもしれません。