塩崎遺跡群では遺構の検出作業を終え、いよいよ竪穴住居跡の調査に入りました。現在、古墳時代後期から奈良時代にかけての竪穴住居跡を中心に調査しています。
竪穴住居跡が埋まった土を観察するための試し掘りの溝を掘り、土のようすを観察しながら全体を掘り下げています。
古墳時代末頃の竪穴住居跡の隅から、むしろ(こも)を編むおもりと考えられる握りこぶし大の石が集中してみつかりました。
塩崎遺跡群では下の地層が柔らかく、竪穴住居跡の屋根の重みで沈み込んだ柱の痕跡が柱穴底に多く残されています。左の写真は長方形の柱の痕跡で、板状に近い木材を柱に使っていたようです。右下は竪穴住居跡で発見される一般的な丸い柱の痕跡です。
奈良時代の住居跡の壁に造りつけられたカマドの中から、煮炊きに使われたとみられる甕の破片が多くみつかりました。カマドに掛けられたまま、放棄されたのでしょうか。
竪穴住居では、大雑把な形に掘り下げた後で、土を埋め直して土間のような床をつくります。←はその最後の床面と思われる地層ですが、その下に地山の黄褐色の土の混じった帯状の地層が何枚か確認できました。何度も薄く土を水平に入れて床を造ったようです。