-平安時代のムラの調査-
吉田地区と桐原地区の2か所で調査を進めています。吉田地区では、平安時代の竪穴住居跡が5軒、弥生時代後期の竪穴住居跡が1軒発見されています。桐原地区では、平安時代の竪穴住居跡と中世と思われる掘立柱建物跡が発見されています。
平成23・24年の調査分を含めると、弥生時代6軒、古墳時代15軒、奈良・平安時代101軒の竪穴住居跡が見つかった結果となり、今後の調査に期待がもたれます。
長野電鉄線の線路を境にして、北側(手前)が吉田地区、南側が桐原地区です。手前の調査区では、平安時代の竪穴住居跡が5軒と弥生時代後期の竪穴住居跡が1軒発見されました。
吉田地区の平安時代の竪穴住居跡の中に、円礫がまとまってみつかりました。住居跡が埋まる過程で捨てられたものと考えられますが、何に使ったものかは不明です。昨年度の調査でも、古墳時代の竪穴住居跡から多量の礫がみつかる事例がありました。
信州大学教育学部附属長野中学校、飯綱中学校の3年生が職場体験で発掘調査に参加しました。平安時代の竪穴住居跡の遺物の出土状況を記録をしています。
吉田地区の平安時代の竪穴住居跡のカマドから甕の破片が出土しました。カマドを壊した後に甕の破片を敷くように置いたのではないか、と考えられます。民俗例では、カマドを使わなくなる時、儀礼をおこなう例があります。これらの甕がどのような経緯で写真のような状態になったのか、興味があるところです。