【今年度の発掘調査について】
令和3年度から行っている長沼城跡の発掘調査が、今年度も4月中旬から始まりました。現在は、昨年度に続き二の丸や中堀推定地などの調査を行っています。
詳しい情報はこちら(長沼城跡発掘だより№3 PDFデータ:679KB)
【天王宮の調査について】
昨年度冬から今年4月にかけて、長沼城跡で唯一現存する土塁と考えられる天王宮の調査を行いました。調査の結果、土を何層にも重ねて突き固めることで地盤を強化する「版築(はんちく)」と呼ばれる構造や、土塁をつくり替えた痕跡が見つかりました。
【二の丸推定地の調査について】
二の丸推定地を調査し、建物跡の有無や堀との境目を確認する作業を行っています。現在は礎石建物跡や炭の集中部、石を投げ込んだ穴の跡などが見つかっています。遺物は五輪塔の一部や石臼、陶磁器、碁石、骨、そして鉄砲玉や匙(スプーン)などの金属製品が出土しています。
【2年目の発掘調査がはじまりました】
戦国時代(16~17世紀)に千曲川沿いに築城された武田信玄ゆかりの城とされる、長沼城の2年目の発掘調査が、4月上旬から約30名の体制ではじまりました。二の丸推定地や北三日月掘推定地等の調査を行い、城内の遺構の規模や時期を解明したいと考えています。
【二の丸推定地の調査】
二の丸推定地からは、カワラケや16世紀中~後半頃の瀬戸焼の丸皿、火を受けて赤くなった壁材などが多く出土しており、屋敷地や建物跡だった可能性が考えられます。
詳しくはPDF版の発掘たよりをご覧ください。
長沼城跡発掘だより№1(PDFデータ:910KB)
長野市長沼城跡で、令和3年12月6日(月)・7日(火)に、地元のみなさんを対象とした現地公開を実施しました。2日目はあいにくの雨模様でしたが両日合わせて138名にご来場いただきました。
今年度は3月まで調査を継続します。堀跡の深さや形を調べたり、二の丸の建物跡などのこん跡を確認したりする予定です。
来年度は調査範囲をさらに拡大し、長沼城跡の築城から廃城、そして今に至るまでの歴史を、詳しく解明したいと思います。
長沼城跡現地公開資料
【発掘作業の公開】
発掘調査を理解していただくために、通常の作業を行っている平日に開催しました。
二の丸推定地では焼土や炭化物が広い範囲に分布する様子を紹介しました。
【長沼小学校の見学】
地下に眠るお城のあとに興味津々です。気になる場所は持参したタブレット端末でパシャリと画像に収めていました。
【城跡でみつかった品々】
「土の中からきれいなお皿やすり鉢といった生活道具がたくさんみつかったんだよ。」
「この白っぽい玉は鉛でつくられた鉄砲の玉だよ。」
「へー、じゃあ火縄銃もみつかるかなぁ」
【主な出土品 その1】
内堀推定地からみつかった唐津焼の皿です。遠く九州の佐賀県や長崎県の生産地から、日本海を北前船によって運ばれてきたものと考えられます。
【主な出土品 その2】
二の丸推定地からみつかった鉛玉です。火縄銃に用いる鉄砲の玉と思われます。直径は1㎝程と小さく、周囲は劣化して白っぽく変色しています。