【薮越遺跡の調査成果】
長野県埋蔵文化財センターは、国道153号の道路改築事業に先立ち、令和4年度から飯田市薮越遺跡(飯田市上郷飯沼3406-1)の記録保存を目的とする発掘調査を実施しました。今年度は6月から作業を開始し、調査は12月中旬まで実施しました。
薮越遺跡は天竜川右岸の低位段丘面上(下段)、天竜川支流の栗沢川の左岸に位置しています。
薮越遺跡の周囲には高屋遺跡や芝崎遺跡、北浦遺跡の他国史跡の飯沼天神塚(雲彩寺)古墳があります。

遺跡の位置 (地理院地図に加筆)
【「礎石」を持つ大型竪穴建物跡】
調査区の北側では「礎石」をもつ竪穴建物跡がみつかりました。

礎石をもつ竪穴建物跡
通常の家は床に穴を掘って柱を立てますが、この建物には柱を載せるための石「礎石」が置かれていました。壁沿いにも礎石を並べています。
【「こも編み石」の出土】
礎石をもつ建物跡のすぐ隣の竪穴建物跡(SB24)からは、細長い形の石が固まってみつかりました。これは「こも編み石」と呼ばれる、ムシロなどを編む際の重りです。

こも編み石
【カマドに供えられた土器】
竪穴建物跡(SB13)のカマド周辺からは、割れずに残った土器が重なるように見つかりました。

カマドに供えられた土器
使い古して捨てられたのではなく、この家から引っ越す際に、カマドを仕舞うための儀式で用いられたと考えられます
【現場公開開催】
12月3日(水)・4日(木)の2日間、現場公開を開催しました。15名の方にご来場いただき、実際に出た建物の跡や土器を公開しました。
調査研究員が直接解説を行い、地域の歴史を学んでいただく貴重な機会となりました。

現場公開の様子
今年度の発掘調査にご協力いただき、ありがとうございました。
来年度も薮越遺跡の調査は続く予定です。
引き続き皆様のご協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。