【高屋遺跡の発掘調査が始まりました】
長野県埋蔵文化財センターは、国道153号の道路改築事業に先立ち、令和4年度から飯田市高屋遺跡(上郷別府)の記録保存を目的とする発掘調査を実施しています。今年度も4月から作業を開始し。調査は11月末まで実施する予定です。
高屋遺跡は天竜川右岸の低位段丘上(下段)に立地しています。高屋遺跡の周囲には薮越遺跡や溝口の塚古墳、宮垣外遺跡、国指定史跡の飯沼天神塚(雲彩寺)古墳があります。また、『高屋』の交差点付近には番神塚古墳があったとされています。
遺跡の位置(地理院地図に加筆)
高屋遺跡はこれまで平成8(1996)年から平成11(1999)年にかけて飯田市教育委員会が「高屋」の交差点付近を、令和4(2022)年と令和5(2023)年に当センターが国道153号沿いの調査を行いました。
令和4・5年の調査では、古墳時代~奈良・平安時代の竪穴建物跡7軒、土坑186基、奈良・平安時代の掘立柱建物跡3棟、弥生時代~奈良・平安時代の溝跡・流路跡が10条みつかりました。また、弥生時代の方形周溝墓とみられる溝跡もみつかっています。
今年の調査は令和5年度に調査した地区のさらに南側、「高屋」の交差点の北側を調査します。

今年の調査地区の位置
【流路跡(SD06)の調査】

今年度調査区の様子
令和5年の調査でみつかった流路跡(SD06)では、多くの土器が出土しました。その中には墨書のある灰釉陶器や、刻書のある須恵器も出土しました。
このSD06は南北方向に流れており、今年度の調査区にも続いていました。そして、「高屋」の交差点に向かって続いていくと考えられます。平成8~11年の飯田市教育委員会の調査でも、流路跡がみつかっており、SD06とつながる可能性があります。
今年度の調査では、流路跡から弥生土器の壺や、土師器の甕、土製の勾玉が出土しています。

弥生土器の出土状況

土製勾玉の出土状況
※号数は調査開始時からの通算