Research調査情報

2017年5月11日

浅川扇状地遺跡群(桐原地区) 平成29年度整理情報(2)

本年度、今まで浅川扇状地遺跡群で出土した金属製品を長野県立歴史館で、整理作業のための応急的な保存処理を開始しています。保存処理の前に、エックス線透過観察を行ったところ、なんと「和同開珎」(わどうかいちん・かいほう)の文字が浮かび上がってきました。


【古代竪穴建物跡から出土した銭】

今から5年前、平成24年度に平安時代前期(9世紀頃)の竪穴建物跡の埋土(まいど)から銭貨(せんか)が出土しました。錆に覆われていて字は読めませんでした。


【出土銭は「和同開珎」だった!】

和同開珎(708年発行)は、北は北海道、南は九州まで出土している、初めて全国に広がった古代貨幣です。県内では24例目となりますが、長野市内では初めてです。政府が整備した道路(官道:かんどう)や役所(官衙:かんが)の跡から出土することが知られており、単に珍しいだけでなく、古代長野の歴史を考える上で、重要です。

カテゴリ:北信,浅川扇状地遺跡群(桐原・吉田地区),調査情報

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