Research調査情報

2025年6月15日

川田条里遺跡 2025年度発掘調査情報(2)

【川田条里遺跡の発掘調査を行っています】

 川田条里遺跡の発掘調査の開始から約1か月が経過しました。現在、市道町川田大門線南側の14T・15T調査区の発掘を行っています。これまでの調査では、地表面から約80cmほど下で中世(鎌倉時代~室町時代)の遺構が確認されています。調査区に隣接する川田小学校の周辺は、中世の居館跡である川田氏館跡として周知の埋蔵文化財包蔵地に登録されており、今回の調査でみつかった遺構は、館跡に関連する遺構である可能性があります。

上空から見た発掘調査現場(南から)

 

【中世の建物跡を発見!鍛冶工房か?】

 14T調査区では、中世の掘立柱建物跡、溝跡などがみつかっています。そのうち1棟の掘立柱建物跡では、鉄片や、鉄を溶かすために使う坩堝片などが出土しており、鍛冶等を行う工房あったと考えられます。

14T 中世の遺構面

 

 また、調査区内ではかわらけ(小皿)や内耳鍋などといった地元産の土器や、白磁、青磁などといった輸入陶磁器が出土しています。

 さらに、中世の掘立柱建物跡付近を少し掘り下げたところ、鍛冶に関わる遺構がみつかりました。遺構は石を組んで築かれ、内部には炭混じりの土が堆積しています。

 周辺では鉄滓(鍛冶を行う際に出る鉄くず)が出土しており、14T調査区の付近には、中世の鍛冶関連の作業を行う空間が広がっていた可能性が高いと考えられます。

鍛冶関連遺構

 

【東西に走る中世の溝跡を発見】

 15T調査区では、中世の溝跡がみつかっています。溝の規模は幅約3m、深さ約40cm程度で、溝の南側に沿う木杭の列を確認しました。この溝より南側では遺構が検出されておらず、この溝は中世の遺構範囲の南限を示すものと考えられます。

中世の溝跡(西から)

溝跡に沿う木杭の列

 

【これからの調査の予定】

 現在の中世面の調査終了後、さらに下の古代面(古墳・奈良時代)の調査を行う予定です。過去の上信越自動車道部分の調査成果を踏まえると、14T・15T付近は古代の水田が一面に広がっていたと思われ、14Tでは、古代水田の畦畔を構築する木材が一部確認されています。新たな調査成果は改めてお知らせします。古代面では一体どのような発見があるのか、乞うご期待です。

14Tで確認された古代の木材

 

川田条里遺跡発掘だより2025年度第2号(PDF: 1259KB)

 

カテゴリ:北信,川田条里遺跡,調査情報