リニア中央新幹線の建設工事に伴い、下伊那郡喬木村おくまんのん遺跡の発掘調査を実施しました。
縄文時代の遺物散布地として知られていましたが、これまで調査履歴がなく、詳しいことは分かっていませんでした。
今回は、遺跡の西端にあたる部分450㎡の調査を行いました。
【調査開始】
遺跡は、天竜川左岸の低位段丘面上に位置し、標高494~520mの城原(じょうばら)台地の直下にあります。
トレンチを重機で掘削して調査を行いましたが、大量の水が湧いてきて大変でした。排水作業をするたびに、たくさんのイモリや沢ガニに出会いました。
【土砂の堆積】
トレンチ壁面の観察から、調査地は谷にあたり、山からの土砂が運ばれて堆積した場所と考えられます。
昭和36年6月に伊那谷を襲った大水害「三六災害」の時にも、この谷を土石流が下っていったそうです。
【土器や石器を発見!】
堆積していた土砂の中から、弥生時代や古代の土器・石器がみつかりました。城原台地上では、弥生時代後期の住居跡がみつかっているので、そのような周辺の遺跡から運ばれてきたものかもしれません。
【記録、そして埋め戻しへ】
掘削後は図面や写真などで記録を取り、埋め戻しを行いました
約1ヶ月の発掘作業は終了しましたが、これから調査成果をまとめる整理作業が始まります。
おくまんのん遺跡はっくつだより 2020年5月発行(PDF823KB)