Research調査情報

2024年10月25日

南栗遺跡 2024年度発掘調査情報(2)

 5月に開始した今年度の調査も、猛暑の夏を乗り越え、いよいよ終盤に入りました。今年発見した竪穴建物跡は既に80軒を超え、まだまだ増え続けています。

 今年度の調査は12月中旬までを予定しております。発掘の見学を希望する方は、事前にご連絡ください。皆様のご理解とご協力をお願いします。

 

 

【現地説明会を開催しました】

 10月5日(土)に現地説明会を開催しました。地元島立地区の皆様を中心に97名もの皆様にお越し頂き大変ありがとうございました。当日は、発掘中の調査区を回り、竪穴建物跡や遺物の出土状況、現場プレハブでは今年度出土した土器や、鉄生産関連遺物、馬の骨などを見学いただきました。見学者の皆様には大変熱心に見ていただきました。

現地説明会風景

 

【重なり合う竪穴建物跡】

 栗林神社の南側(3区)では竪穴建物跡が60軒以上みつかりました。

 下写真の中の四角い輪郭が1軒1軒の竪穴建物跡です。1辺が3~4m程あります。平安時代にかけて人々が何世代もわたってこの場所に住み続けていたことを示しています。このことから南栗遺跡周辺が居住に適した場所だったことが分かります。

重なり合う竪穴建物跡

 

【緑釉陶器を発見】

 高速道路北東側(1区)の竪穴建物跡から緑釉陶器が出土しました。緑釉陶器は鉱物系の釉薬を用いた緑色の土器です。集落内において一般の人々の居住域で発見されることは少なく、有力者の持ち物とされている希少品です。

 緑釉陶器は竪穴建物跡の床下で出土しましたが、床下からは灰釉陶器や土師器の皿と倒れた須恵器の壺も出土していて、出土状況からみてこれらの容器は何らかの意図を持って埋められた可能性が考えられます。

緑釉陶器

 

灰釉陶器皿(左)、須恵器壺(中央)、土師器皿(右)

 

 

【村の鍛冶屋】

 高速道路の南西側(4区)で調査した竪穴建物跡からは、直径20㎝深さ5㎝程の穴がみつかりました。この穴は壁から底まで赤く焼けており、穴の周囲からは焼土や炭と共に熱した鉄を叩いて鍛える際に飛び散る微細な板状の鍛造剥片や、鉄を溶かす炉に空気を送り込む筒状の羽口、また刃物を研ぐ砥石も出土しました。遺構の状況や出土品からみて、この建物跡では鉄くずなどを溶かして新らしい道具を作る鍛冶作業が行われていたと考えられます。

鍛造剥片

 

砥石

 

南栗遺跡発掘だより2024年度第8号(PDF:698KB)

※号数は調査開始時からの通算

カテゴリ:中信,南栗遺跡,調査情報