Research調査情報

2026年9月29日

長野市 川田条里遺跡 2026年度発掘調査情報(4)

【古代水田面の調査を実施中!!】

 認定こども園川田(旧川田保育園)すぐ東のT10調査区で、奈良時代頃と考えられる古代水田面の調査を実施しています。調査の結果、不整形な水田畦畔の痕跡が確認されました。今後の精査により、水田の年代や畦畔の構造などを明らかにしていく予定です。

 また、この遺構面では、水田を掘り込む小穴群や溝、竪穴状遺構などが確認されています。上層の鎌倉時代中頃の面では確認されずに、奈良時代頃の水田を掘り込んでいることから、これらの遺構は平安時代から鎌倉時代初め頃のものであると考えられます。特に小穴群は一定間隔で方形や直線に並んでおり、掘立柱建物の柱痕や柵列痕である可能性があります。

奈良時代頃と考えられる水田畦畔(T10調査区 白線が畦畔ライン)

 

 

平安時代から鎌倉時代初め頃の掘立柱建物跡あるいは柵列(T10調査区)

 

【礫集中遺構から木製の祭祀具が出土!!】

 T10調査区の古代水田面を切り込む溝状の遺構の内部で礫が集中する状況が確認されました。礫は平らな面を上に向けてそろえて検出されており、遺構内に敷き並べられていた可能性があります。遺構からは土器や陶磁器等とともに木製品が出土しています。木製品は曲物や板材等の他、実用品とは考えられない刀などのミニチュア品のようなものも見られます。これらのミニチュア品は「祓い」などのおまじないに使用された祭祀具と考えられます。似たように礫を敷いた祭祀遺構が千曲市屋代遺跡群上信越自動車道地点の調査時に、飛鳥時代から奈良時代の面で確認されています。今後も当遺構の性格について検討を行っていく予定です。

礫集中遺構(T10調査区 東から)

 

礫集中遺構で確認された木製祭祀具(刀形?)

 

【これからの調査の予定】

 T10調査区の調査と並行して、さらに北側のT8調査区の調査を行っています。現在は中世面の調査を行っており、小穴数基と中世以降の水田痕(畦畔痕、足跡、稲株痕?)が確認されています。

 北側に向けて遺構数が少なくなり、調査区内で中世の遺構分布は途切れるものと考えられます。

 今後の調査の進捗については、次回の発掘だよりでお知らせいたします。

T8調査区 調査風景

 

川田条里遺跡発掘だより2026年度第4号(PDF:1.16MB)

 

カテゴリ:北信,川田条里遺跡,調査情報