Research調査情報

2026年5月21日

長野市 川田条里遺跡 2026年度発掘調査情報(1)

【令和8年度の発掘調査が始まりました】

 4月22日(水)から、令和8年度の川田条里遺跡の発掘調査を行っています。

 この調査は、国補(仮称)若穂スマートIC整備事業に伴って行うもので、今年度の調査は11月末まで、安西工業(株)に発掘作業支援業務を委託して実施しています。

 若穂スマートIC整備事業に伴う当センターの発掘調査は、令和4年度から行ってきましたが、現地での作業は、今年度で終了する予定です。

遺跡全景(南から昨年度調査終了時撮影)

 

【川田条里遺跡ってどんな遺跡?】

本遺跡は、1989~1990(平成元~2)年に当センターが上信越道建設に伴い発掘調査を実施し、弥生時代中期から近世まで各時期の水田跡が重なっていることを確認しました。

1999(平成11)年には、長野市教育委員会による川田保育園(現、認定こども園川田)の改築に伴う発掘調査で、15世紀後半の工作遺構を発見しました。

2022(令和4)年から始まった若穂スマートIC整備に伴う当センターの調査では、弥生時代から江戸時代までの重なり合う水田跡の確認とともに、鎌倉時代から室町時代の中世遺構が確認され、その遺構の広がりの東端・南端をとらえることができました。

調査地点のすぐ西側に隣接する川田小学校は、中世にこの付近で勢力を持っていた武士、川田氏の館があった場所と推定されており、「川田氏館跡」という遺跡となっています。

これまでの調査で確認された中世遺構は、館跡に関係していると考えられます。

 

【今年も室町時代の穴や溝、陶器や銭貨などがみつかっています】

みつかった室町時代の穴や溝の跡(白線の中)

 

出土した銭貨

 

 

 今年の調査は、こども園のすぐ東側から始めました。

 昨年の調査で、現在の地表面下約70㎝に室町時代の生活面があることがわかっていたため、その近くまで重機で掘り下げ、その後、人の手により表面をきれいに削って穴などの跡をみつける検出作業をしています。

 すでに、多くの穴や溝の跡がみつかっており、中にはほぼ等間隔で直線に並ぶ穴もあります。これは柵や建物の柱跡の可能性があります。

 遺物としては、昨年もみつかっていた室町時代の鍋や茶碗など陶磁器の破片が多いのですが、今年は銭貨がみつかりました。

 この銭貨は中国でつくられた貨幣で、室町時代頃に日本国内でも使われていた北宋銭と思われます。今後、X線透過観察などを行い、文字の解読をしていく予定です。

【これからの調査予定】

 今年度の調査は、こども園横からさらに北へ向かって進めていきます。中世遺構の北端がみつかるのか、期待しています。

 昨年同様、今年の発掘調査にも、ご理解・ご協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

 

川田条里遺跡発掘だより2026年度第1号(PDF:924KB)

 

カテゴリ:北信,川田条里遺跡,調査情報