-近世の掘立柱建物跡や土坑が見つかりました-
風張遺跡は、細田川に面した丘陵上に立地します。現在、近世の掘立柱建物跡などを調査しています。調査地は、東から西側に緩やかに傾斜する地形で、切り土・盛土で平坦な区画を造り、その区画内に建物を建てていることが明らかとなりました。
ローリングタワーを使って掘立柱建物跡(ST01)の全景写真を撮影しています。
3間×5間の掘立柱建物跡です。時期は近世です。柱穴がある場所に作業員さんに立ってもらいました。建物跡の大きさがわかるでしょうか。この建物跡は、南・西・東側の3方向に庇(ひさし)があります。建物の規模が大きいことから、母屋と推定されます。
柱穴のなかには、底に扁平(へんぺい)な石が設置されているものがありました。柱を固定するために柱の下に置いたもの(地下式礎石)と推定されます。
ST01の東側に位置する1間×3間の掘立柱建物跡です。時期は近世と推定されます。この建物はST01より規模が小さいので、ST01に付属する建物跡と推定されます。
掘立柱建物跡が分布する場所に残した土層観察用ベルトの断面では、緩やかに傾斜する調査区内を切り盛りし、平坦地をつくった様子が確認されました。写真は土層断面を図面に記録している様子です。