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2019年1月9日

長谷鶴前遺跡群 平成30年度調査情報(2)

平成29年度から進めてきました坂城更埴バイパス改築工事に伴う長谷鶴前(はせつるさき)遺跡群の発掘調査は、平成30年度の12月をもちまして無事にすべての調査が終了し、平安時代から明治時代にわたる多くの成果を得ることができました。
地域の皆様のご理解とご協力に感謝いたします。
今年度は、4・5月に平安時代の水田跡の続きを低地側(蓮田)でも確認し、良好な状態の水田が一帯に広がっていることがわかりました。10~12月には、昨年度に調査が行われた2区と3区の間の市道部分の調査を行い、中世の道路跡や、水田跡、居館の堀跡とそれに伴う石列などがみつかりました。

【中世の道路跡】

昨年度も、中世期につくられた平行する2条の溝跡(側溝)を備える道路跡がみつかりましたが、今年度確認された道路跡はそれよりも古いもので、幅2.3m、高さ50㎝ほどの土手状の高まりもつものでした。土手状の高まりの周囲は水田跡であるため、水田に沈み込まないようにするために土が高く盛られたと考えています。

【中世の居館の堀跡と石列(2区市道部分)】

調査区の北端で、最大幅約2.5m、深さ約1.5mの南北方向に伸びるV字状の堀跡と、堀跡の南端に堀跡と同じ時期に作られた東西方向に密集する石の列もみつかりました。堀跡からは木製品が複数出土し、動物とみられる骨もまとまってみつかりました。

【平安時代の水田と畦(2区市道部分)】

昨年度確認していた平安時代の水田跡と畦の続きを確認しました。山ぎわまで水田耕作の範囲が及んでいたと考えますが、わずかに泥炭がたい積しているのが確認できました。おそらく、仁和(にんな)の洪水(仁和4年(888年)に起きた千曲川の大洪水)が起きる直前は、部分的に休耕していた可能性があります。

カテゴリ:長谷鶴前遺跡群

2018年11月6日

石川条里遺跡 平成30年度発掘調査情報(2)

国道18号坂城更埴バイパス改築工事に伴う石川条里遺跡の発掘調査では、県道長野上田線西側(ホクエツ信越長野工場の西側)で、平安時代の水田跡を発見しました。今回は平安時代の畔の内部から出土した木材(芯材)について紹介します。 

【芯材の出土状況】

東西方向にのびる畔を解体したところ、内部から多量の木材が出土しました。木材のなかには、田下駄と思われる遺物や、建築部材の一部と思われる遺物がありました。畔の構築に際し、廃材となっていたこれら木材を芯材として利用したものと思われます。 

【芯材とともに出土した土器】

芯材を精査していたところ、畔のなかからほぼ完形の須恵器の坏が出土しました。 

【田下駄の写真】

田下駄は、水田での農作業の際に着用したはき物で、足が沈み込むのを防ぐため歯はついていません。 写真は、長野市長谷鶴前(はせつるさき)遺跡群の平安水田から出土したものです。長さ約40cm、幅約20cmで、 鼻緒を通した穴が空いています。

カテゴリ:石川条里遺跡

2018年11月2日

尾垂遺跡 平成30年度整理情報(1)

 2013~2015(平成25~27)年度に調査を行った、佐久市尾垂遺跡・尾垂古墳の報告書作成に向けた整理等作業を行っています。 尾垂古墳は平成26年に新しく見つかった古墳で、石室からは人骨や直刀(ちょくとう)・鉄鏃(てつぞく)などの副葬品が出土しています。今年度は石室内に堆積していた土を洗ったところ、ガラス小玉が発見されました。

【直刀、鉄鏃、ガラス小玉を出土した石室】

石室は、残存部で長さ2.3m、幅1.6m、高さ0.8mです。天井などの上部は失われていました。

【直刀】

石室残存部の西側床面では、全長約56.5cmの直刀が出土しました。刀身の長さは約46㎝、幅は最大で2.5㎝です。

【鉄鏃】

直刀が出土した位置より、さらに奥の側壁寄りの床面上では、長さが約5.5(残存長)~14㎝の鉄鏃が19本出土しました。

【ガラス小玉】

41個のガラス小玉が見つかりました。 大きさは直径4.8~3.2㎜、厚さ3.9~1.3㎜で、重さは0.12~0.03g、色は紺色です。

カテゴリ:尾垂遺跡

2018年9月28日

浅川扇状地遺跡群 平成30年度発掘調査情報(1)

9月から12月中旬の予定で、桐原地区で発掘作業を開始しました。今年度の調査地は、調査対象範囲の最南端にあたります。平成26・27年度に調査した北側の地区では、古墳時代前期の竪穴(たてあな)建物跡などがみつかっています。今回の調査では集落が南のどこまで広がっているのか確認したいと思います。

【溝跡の調査】

まず西側地区から調査を開始しました。 幅約30cmの溝跡がみつかりました。地形の傾斜に沿って、北西から南東方向へ延びています。溝跡の断面を写真撮影しているようすです。

【足跡発見】

明褐色をした、直径10cmほどの丸い落ち込みがいくつもみつかり、足跡と考えられます。周辺からは、土器などの遺物がほとんどみつかっていないため、溝跡や足跡がついた時期ははっきりしません。全体に広がるのではなく、集中したり帯状に分布するようすが観察できます。 

【ウシの足跡】

丁寧に表面を検出すると、写真のような形がみえてきました。2つに割れた蹄(ひづめ)の特徴から、これはウシの足跡と考えられます。10月以降、隣接する東側の調査を行う予定なので、足跡の広がりや水田、あるいは畑などの遺構の発見、時代が特定できる土器などの遺物がみつかることを期待しています。

カテゴリ:浅川扇状地遺跡群(桐原地区)

2018年9月14日

出土銅鐸の再現

 

銅鐸レプリカの完成ー中野市柳沢遺跡出土の銅鐸の再現ー(行事・お知らせページ)へ

 

カテゴリ:柳沢遺跡

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